
ロングライドをするうえで多くのポジションを取ることができるのがエアロバー。
一方で導入に当たってはどれを購入していいのかわからないとなりがち。
私の場合は以前購入したエアロバーの高さ(height)が合わず、悩んでいました。
また、飛行機などで輪行をする際にはエアロバーが邪魔になり、角度や取り外しを行うという工数増加もストレス。
高さの調節ができるエアロバーの購入を検討していたところ、なんとこの2点を一気に解決できるQuick-Release Clip-on AerobarsをREDSHIFT社より提供いただいたので、レビューを行う。
この記事を読めばQuick-Release Clip-on Aerobars(以下QRエアロバー)の基本的な情報、エアロバーの選び方がわかります。

Quick-Release Clip-on Aerobarsのスペック
値段
| 製品・パーツ名 | 日本語名 | 用途 | 価格 |
|---|---|---|---|
| Quick-Release Clip-on Aerobars | エアロバー本体 | エアロバー本体一式 | 約37,308円 |
| Extension Riser Kit | ライザーキット | パッドの高さを上げる | 約5,946円 |
| Armrest Pads
(追加購入する場合) |
アームレストパッド | 肘置きパッドの交換 | 約5,500円 |
| Extra Handlebar Clamp Set
(追加購入する場合) |
追加クランプセット(台座) | 別の自転車に取り付ける際などに使用 | 約9,207円 |
| Aerobar Extensions
(追加購入する場合) |
エクステンションバー | 前方に伸びるバー部分 | 約9,207円 |
※価格は(2026年9月6日時点)販売時期や販売店、為替レートなどによって変動する場合があります。
※Armrest Pads、Extra Handlebar Clamp Set、Aerobar Extensionsについては本体購入時に付属しているが、追加で購入をする場合の値段を記載。アフターパーツとして購入するときの値段。
スペック表
早速、本製品のスペックを見ていこう。以下の仕様表は、Redshift Sports公式ウェブサイトに掲載されている「Quick-Release Clip-on Aerobars」のTechnical Specificationsをもとに、日本語に翻訳・整理したものだ。製品仕様の正確性を保つため、数値・規格等については公式サイトの記載を参照している。
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| 重量 | 630 g/ペア(アルミ製Sベンド) 640 g/ペア(アルミ製Lベンド) |
| パッド高さ(A) | 最小:70 mm 最大:100 mm(2個のスタックスペーサー使用時) |
| パッド後退量(B) | 最小:30 mm 最大:81 mm |
| パッド幅(C) | 最小:108 mm 最大:165 mm |
| エクステンション長(D) | Sベンド:362 mm Lベンド:368 mm |
| エクステンションのライズ(E) | Sベンド:50 mm Lベンド:100 mm |
| エクステンション径(F) | 22.2 mm |
| ハンドルバークランプ幅(G) | 22 mm |
| ハンドルバー径 | 31.8 mm対応 26.0 mm対応(シム使用時) |
| 素材 | 6061-T6アルミニウム |
| 想定用途 | ASTM F2043 Class 1 ― ロードライディング向け |
https://redshiftsports.com/products/quick-release-aerobarsより引用
公式サイト・購入リンク

公称値と実測値の比較
- 実測重量:621g(公称値:640g)
実測重量計量の際は各パーツ毎に分離して計測を行なった。

公称値より若干軽い個体を入手。エアロバーとしては若干重めの重量。
取り付け方法
取り付けマニュアルはこちら。公式サイトにマニュアルが掲載されているのはありがたい。また、公式から取付にかかる解説動画が公開されているのでこちらを見るとわかりやすい。
ハンドルバークランプの取り付け
クイックリリースエアロバーの取り付けと取り外し
アームパッドの調節
購入時に付属しているマニュアルと公式動画を見ながら作業すれば装着にそこまで時間はかからなかった。特に迷うことなく、取付ができたので特筆すべき点はない。
強いていうのであればエアロバーなどの取り付けに際してはトルク管理をしっかりと行う必要がある。もちろんマニュアルにも適正トルクは記載されているので、この際トルクレンチも購入しておきたい。
各部品紹介

梱包の様子。到着が嬉しすぎてすぐに開封してしまった。
エアロバーの主な構成パーツ
① エクステンション
② エクステンションクランプ
③ アームレスト台座
④ アームレストパッド
⑤ ライザーキット(別売り)
エクステンション

6061-T6アルミニウムを使用したエクステンション(バー)。バー本体の実測重量は161gだった。REDSHIFT社からはLベンドとSベンドの2種類が展開されており、今回私はLベンドを提供頂いた。ざっくりとではあるが一般的にはLベンドがロングライド向き、SベンドはTT向きの形状であるという認識でOK。

手前のバーがRedshift。中央の角度がきついバーがBBB
BBB JベンドエアロバーのBHB-60を横に並べてみたところ、写真のような角度の差がある。ロングライドをゆったりと走る私にとっては緩やかに上昇するLベンドの方が手首にも優しい印象だ。
エクステンションクランプ

このエクステンションクランプの上に、アームレスト台座をボルトで固定する。QRエアロバーではこのエクステンションクランプ側にボルト固定位置が5箇所、後述のアームレスト台座には9箇所の固定位置があるため、角度や取り付け位置をかなり細かく調整できる。

本QRエアロバー最大の特徴はなんと言ってもクイックリリース機構でバーを取り外しできる点である。エクステンションクランプの裏側はいわゆるリムブレーキホイールで使用するクイックリリース機構が付属しており、これを使用してエアロバーとアームレストを瞬時に取り外しすることができる。

クイックリリースを解放した状態で、機構を押し込むと、クイックリリースボルトが埋め込まれたバネを押し込む形で沈み込む。その状態で横にスライドすることで、エアロバーとアームレストをポジションをズラすことなく取り外しができるという仕組みだ。
アームレスト台座

アームレスト台座もアルミ製。実際に使用してみても剛性感があり、アームレストに体重を預けた際にも不安を感じなかった。前述の通り、3×3の合計9箇所の固定穴が設けられているため、自身の腕の形状やポジションに合わせて細かく角度を調整できる。
ちなみに所有しているプロファイルデザインのT2エアロバーでは縦に4×横2穴となっており、調整用の固定穴が多く、ポジションを細かく追い込みやすい点は本製品のメリットだと感じた
アームレストパッド

ベロクロでくっつけるタイプのパッド。特に初期の使い初めには細かくアームレストの位置を調整する必要がある。製品によってはパッドをアームレストの裏側で固定したりするものもあるが、本製品はくっつけるだけなので取り外しがしやすく、調整も比較的楽だ。
ライザーキット(別売り)

Extension Riser kit。ロングライドを使用目的としてエアロバーを購入する際にはライザーがアクセサリーとして展開されているものを選びたい。ライザーとはエアロバーの高さを調節(嵩増し)するためのシムパーツであり、REDSHIFT社からは4枚セットで、左右のエアロバーにそれぞれ最大2枚(30mm)まで使用できる形で展開されている。

1ライザーあたり15mm分高さをつけることができ、最大30mmまでポジションを調節することができる。ロングライド用途での使用の場合はリラックスポジションで使用することが多いので同時購入をお勧めする。

Quick-Release Clip-on Aerobarsを実際に使って感じた「良いところ」
クイックリリース機構は輪行時に大活躍

ワンウェイでスタート地点とゴール地点が異なるロングライドや自転車旅をすることが多い。行きは自走で、帰りは飛行機や電車での輪行を行うと言った移動方法は自転車の利点を最大限活かすことができる。
輪行袋に収納する際にはしっかりと中身がはみ出ないように収納する必要があるが、エアロバーだけ袋から収まりにくい場合も多々ある。

もしくは飛行機に預ける際に、箱に綺麗に納めることができ、収納サイズを削減できるというのは、破損対策や追加料金対策にも繋がる。
また、車に乗せてトランポする場合も大いに役に立つ。私の車も大きくはないため、積載の際にエアロバーを気軽に外すことができることはかなり大きなメリットだ。
エアロバーとしての基本的スペックも十分

当然のこととしてエアロバーとしての基本的性能は完備している。もちろん、300kmほど走ってみた感覚値としてはクイックリリース機構によるガタつきもなく、安心して体を預けることができた。
多少荒れた路面でももちろん問題なしだ。
私のライドスタイルとして自転車を車に乗せる。電車や飛行機で輪行するということが多いため、気軽に素早く取り外しができるという点はかなりアドバンテージ。
また、パンクをした際など自転車を裏返しにする必要がある場合においても、エアロバーが地面と接触せず、パッドを痛めることもない。一応スペック表にもあるように本製品はオンロードでの使用を前提とした製品となっている。メーカーが想定する用途とは異なるため、グラベルなどで使用する場合は注意しながら検証していきたい。
リペアパーツ単位で購入ができる
リペアパーツ単体で購入ができることもポイントが高い。特にアームレストパッドは長年使っていると劣化して破れたりすることも多く、別途購入ができるという点で安心感がある。

ポジションを固定したまま他の自転車との共用もできる。

自転車複数代持ちのユーザーとしてはこれが嬉しい。エアロバーやアームレストのポジションを変えることなく、追加で台座を購入して取り付けておくだけで事足りる。逆に今日はエアロバーを外してライドしようといったスイッチのオンオフが気軽にできるので、選択肢の幅が広がるという点も大きい。
ここはイマイチ……使って感じた「注意点」
他のエアロバーと比べて少し重い
もちろん。クイックリリース機構が付属することにより、多少他のエアロバーと比べて若干重くなってしまっている点は否めない。日本で購入する場合、40000円近くの値段となるため、軽さを取るか、クイックリリース機構を取るかは個々人のライドスタイルによる。
ただ、輪行での移動が多い日本での公共交通機関を組み合わせたライドでは間違いなく親和性が高いだろう。
こんな機能が欲しい!外したエアロバーを固定できる機構

取り外したエアロバー。この2本を固定できる方法を模索中。
クイックリリース機構のエアロバーを取り外しした後にそのエアロバーをバラバラのまま輪行袋に入れるのは勿体無い気がしている。何か縛る紐のようなものや磁石などで固定できるとさらに嬉しい。今後使用する中で良いアイデアが浮べば追記していきたい。
7. 製作秘話
RedShift社から製品を提供いただくにあたり、いろいろお話を伺うことができたので、製作秘話としてお届けする。(以下RED社からのコメントを日本語訳したもの)

”エアロバーを開発する際に、特に興味深かった課題の一つがクイックリリース機構でした。この機構は、簡単かつ素早く使える必要がある一方で、非常にシンプルな構造で、何よりも非常に頑丈であることが求められました。さまざまなアイデアを試し、最終的には現在も使用している機構を開発しました。”

”これは、一般的なダブテールクランプ(あり組み型のクランプ)に似た構造ですが、通常のようにメス側のパーツを動かして固定するのではなく、パーツ自体を変形させることでクランプする仕組みになっています。この機構を、一般的な製造技術を使って生産しやすいものにしながら、同時に非常に頑丈で信頼性の高いものに仕上げるためには、かなりの改良と試行錯誤が必要でした。”
製品を実際に使ってみても、特にクイックリリース機構についてはバネで押し込む機構とするなど、工夫が凝らされていると感じた。また、随所に調整やアフターメンテナンスのしやすさも意識した工夫が凝らされており、発売から12年間世界中のユーザーから支持されている理由もわかる気がする。
まとめ
本製品を導入してみて以下のようなポイントがあると感じた。
おすすめポイント
- クイックリリース機構が輪行時に大活躍
- エアロバーとしての基本性能も十分
- リペアパーツ単位で購入できる
- ポジションを固定したまま、複数の自転車で共用できる
注意が必要なポイント
- 一般的なエアロバーと比べると、やや重量がある
こんな人にオススメ!
今後、ブルベやロングライドなどで飛行機や電車での輪行を多くする予定で、エアロバーを導入したい方におすすめできる製品だ。また、一つの製品を長く使いたい方にとってもリペアパーツ単位で購入ができる点。また、発売から12年という歴史を持つ製品だからこそ、今後もリペアパーツが必要になった際などでも、長期運用を安心感を持ってできる製品であると言える。
今後はさらに本格的に使い込みを行い、1000キロ以上のライドやキャンプツーリングでも使用していく。この記事が、皆様のギア選びの参考になれば幸いです。


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