こんにちはネギトロです。
今回は2023年の年末から2024年の年始にかけて、厳冬期北海道・年越し宗谷岬を自転車で走行した際の自転車やパッキング装備について備忘録も兼ねて記事を残しておきます。本記事を参考に冬の北海道にも是非チャレンジしてみてください!
温玉ネギトロの主な経歴
自転車歴15年以上。 大学ではサイクリングサークルに所属。 ソロで自転車海外10カ国以上来訪。 最近はロングライドを中心に行う。 ヴィンテージ自転車のレストアなどが趣味。
走行環境
走行ルート:苫小牧〜幌加内〜宗谷岬
天気:初日、6日目、7日目快晴
2日〜4日目 雪or吹雪
5日目 みぞれ
気温:最高気温:5日目 0℃
最低気温:7日目 −16℃
日の出:7時
日の入:16時30分
積雪状況:基本的には除雪されている
一部歩道などでは除雪が追いついておらず、走行不可の場面はあり。
使用機材
自転車:グランボア ランドナー 650b
スタイル:バイクパッキング
機材・スタイル選定基準
ランドナーを選定したのは半ば意地のようなところはあります。昨今のグラベルロードの台頭に対して、
普段ブルベやキャンプツーリングで活用している
ランドナーがどこまで過酷な環境で通用するのかを試したかったというのが選定の理由です。
一方で積雪期の北陸や、厳冬期中国山地でのキャンプツーリングを通して、しっかりと通用することを確認してから挑み、実際に最後まで大きなトラブルなく走り切ることができました。
伝統的なサイドバックを利用したパッキングは左右に荷物を乗せることで重心がブレると想定していました。
そのため、直線的にパッキングできるバイクパッキングを採用することで重心を安定させ、かつバイクパッキングにすることで必然的に軽量化とコンパクト化を意識させ、機動力の向上にも努めました。
ランドナーの雪国仕様アッセンブル
基本的にはベースは変わらないですが、
タイヤとシフトワイヤー凍結対策、フェンダーは変更しました。
タイヤは45nrth Gravdal(650×38b)のスパイクタイヤを採用。
スパイクタイヤ
タイヤについての詳細記事はこちら↑
650×38bなんてランドナー以外に需要があるのかは分かりませんが、このようなマイナー規格まで手掛けてくださるのは本当に嬉しいです。
ほとんどの路面では問題なく乗りこなすことができました。圧雪や、洗濯岩のように固められた氷の上では流石に滑る時もありましたが、路面状況に関しては別記事で書くことにします。
シフトワイヤー対策
-10℃前後かつ、除雪がされていない中国山地の林道をキャンプツーリングした時に、BB下のシフトワイヤーが凍ってしまい、変則ができないというトラブルがありました。
その経験から、シフトワイヤーをフルアウターに変更し、グリスで保護。さらにアウターキャップの部分もグリスで蓋をすることで、しっかりと凍結対策を行いました。(アウターケーブルは結束バンドで固定)
実際に走行時も変則トラブルはほとんどなく、無事に乗り切ることができました。
フェンダー
普段であれば本所のフルフェンダーをつけているのですが、積雪時の場合は巻き上げた雪がタイヤとフェンダーの間で凍りつき、ホイールが回転しなくなります。(下手をすると、タイヤがバーストします)
一方でフェンダーがなければ、路面で溶けた雪(泥水)が車体や服にかかり、思わぬ凍結や衣服の水没に繋がりかねません。そのためフルではないにしても跳ね上げ式などのフェンダーが必要になります。
今回フロントに関してはASS SAVERSのフェンダーを使用し、少ないスペースを有効活用。リアに関しては100円ショップで自作することでフェンダーを確保しました。
その他
カンチブレーキ
問題なく動作しました。
長時間停車時や、朝乗り出しの前には前日の雪が凍っている可能性があるので、雪落としや氷を割っていましたが基本的には雪や氷が詰まることもありませんでした。
雪道やアイスバーンの下り坂でも急ブレーキをかけた方が滑って危ないので、減速という意味では充分な性能を発揮していました。(とは言ってもディスクブレーキの方が安定するのは事実です。)
エアロバー
北海道では平坦が多く、また向かい風も想定していたことからエアロバーを採用しました。
バイクパッキングの採用で重心が安定しているということもあり、多くの場面で非常に有効な手段となりえました。
特に、稚内→宗谷岬間では終始向かい風でしたが、
エアロバーのおかげで、周りのチャリダーの風除けに終始なれるくらいには余裕が生まれました。
バイクパッキング機材一覧
自転車本体の次はパッキングに用いるギアについての紹介を行います。
カテゴリ | 機材名 |
サドルバッグ | Carradice Nelson |
トップチューブバッグ | APIDURA アピデュラ レーシングロングトップチューブバッグ |
フレームバッグ | トピークミッドローダー6L |
フロントバッグ | Amazon ドライパック 10L |
フロントライト | CATEYE VOLT800 |
フロントライト | O-light RN1500 |
フロントライト | CATEYE AMPP300 |
テールライト | CATEYE TIGHT TL-LD180 |
テールライト | CATEYE OMNI3 |
テールライト | CATEYE REFLEX AUTO(TL-LD570) |
サイコン | Garmin Etrex-32x |
サイコン | Bryton Rider 420 |
Carradice Nelson キャラダイス ネルソン
フレームサイズが大きいということもあり、シートポストが伸ばせないという理由から縦型サドルバックの採用を断念。一方で余っていた小型の日東のキャリアに載せる形でネルソンを装備することで大容量を獲得しました。
基本的にはテントと、フライシートミドルウェアおよび走行時には使わない小物を収納していました。
アピデュラロングトップチューブバック
トップチューブバックの中でもロングタイプです。
主に予備のバッテリーやスマホ、小型スピーカーを入れることで、すぐに取り出しできるようにしていました。また、ちょっとした補給食も収納していました。
トピークミッドローダー 6L
私のパッキングにシンデレラフィットしたフレームバックで、主に工具類とジェットボイルminimoを収納。防水ではないですが、十分なスペースを確保できる上に安価なため採用。余分なスペースが最後まで空いており、濡れても良い小物を収納していました。
Amazonドライパック10L
空気を抜けるタイプのドライパックでしっかりと
防水もできるので使い勝手が非常に良いです。
小型のフロントキャリアに巻きつけて固定。
中にはシュラフ(イスカ エアドライト860)と着替え類、ミドルウェアを入れたりしていました。10Lサイズがハンドル周りにも干渉せずぴったりなサイズでした。安価で非常に使い勝手が良いです。
ライト
CATEYE Volt800 (予備バッテリー1本)
メインライトの一つです。低温下でも特に問題なく使用できました。野宿が続く場合は予備バッテリーで対応も可能でブルベからツーリングまで幅広く活躍してくれました。
O-Light RN1500
基本的にはVolt800とRN1500の二台体制で運用。
予備でAMPP300を持って行っていましたが、そこまで使うことはありませんでした。
どのライトも−10℃以下となっても正常に動作しており、バッテリーが早く切れて困るということもそこまで感じませんでした。(そこまでナイトランをしていないというのもあるかもしれませんが)
テールライト
CATEYE TIGHT OMNI3 REFLEX AUTO
三種類のサイコンを持っていきました。後ろからの車が一番脅威だと感じていたので、テールライトは妥協せずに持っているものを投入。三種類の性能差をチェックしようと思いましたが、普通に使用しているレベルでは厳冬期の北海道でも厳密な差はかんじられませんでした。
サイコン
Garmin etrex32x
安定して使うことができます。
別記事で記載予定ですが、寒冷地用のリチウム電池を使うことで電池を一回入れて変えただけで、全日程7日間をカバーすることができました。流石です。
ブライトンrider 420
意外だったのが、rider420が意外とバッテリーが長持ちをしていたということです。
−16℃になろうが基本的にはそこまでバッテリーの落ちを体感することなく、全日程で使用できました。
寒冷地でも通用するという意味で個人的に評価が上がりました。
まとめ
ランドナーで旅するという執念で組み合わせた装備ですが、意外と勝負ができたかなと思っています。特にリムブレーキで年越し宗谷岬に来ている人は殆どいなかったため、ある意味で挑戦になったのかなと思います。
心配だった電子機器についても最後まで電池の減りが極端に早いと感じることもなかったため、上記に記載しているGarmin etrex32xなどを中心に準備をすれば特に問題なく旅を進めることができます。
冬の北海道は過酷な環境のため妥協せず、色々な記事を参考にして自分に合う組み合わせを見つけ出してください。
厳冬期北海道・年越し宗谷岬の関連記事はこちら
参考記事・おすすめ記事
準備にあたり参考にさせていただいたSKさんの記事でも寒さ対策よりも暑く感じない装備が大事と仰っており、実際に北海道を走行している際にはこの考え方は非常に重要だと感じました。
また、年越し宗谷岬でお会いしたかけるさんの記事も参考になりますので是非参考にしてみてください。
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