こんにちは温玉ネギトロです。今回は愛媛県松山を起点として、自転車とキャンプをしながら四万十を目指す物語の④記事目です。本記事が四国四万十川ツーリングの最終話になります。
その③を読んでいない方は↓
装備記事はこちらになります。↓
温玉ネギトロについて
- 自転車歴15年以上。
- 大学ではサイクリングサークルに所属。
- ソロで自転車海外10カ国以上来訪。
- 最近はロングライドを中心に行う。
- ヴィンテージ自転車のレストアなどが趣味。
三堰キャンプ場へ
街灯もない、細い道を自転車のライトだけを頼りに山の方へ辿っていきました。途中鹿の鳴き声を何度も聞いたので、飛び出してこないか身構えながら進みます。街中から30分〜40分程度で三堰キャンプ場に到着しました。
キャンプ場は四万十川沿いに民家が立ち並ぶ地域の裏の河川敷をキャンプ場としているもので、2組ほど先客がいました。
到着した時間が21時前後ということもあり、静かにキャンプ場を見渡し、一番下手の河原に自転車を止めてテントを張ることにしました。
四万十川のせせらぎを聴きながらぽつねんと空を眺めて、暖を取るために火を起こします。
しばらくすると後ろから足音が聞こえ、「こんばんは」と20代の隣のバイカーさんが声をかけてくれました。
「21時をすぎて、もう誰も来ないだろうと思っていたところに、自転車で来られて驚きました。」
そうですよね。。。一応静かに邪魔にならないように気を配ってはいたのですが、、スミマセン。
お話をしていくと、彼は滋賀をスタートしてバイクで日本一周をされている道中でした。
こんな四国の山中で会ったのも何かの縁とお互いの旅の話が流れるように展開されていきました。
私は曽祖父の記録を探しているということ」彼は「仕事を辞めて新しい自分を探しながら日本中を旅していること」旅の目的・目的地は違えど、こんな出会いが旅の醍醐味だなと久しぶりに思い出します。
2時間くらいお互いの話をした気がします。次の目的地を聞き、私は明日には帰らなければならないことを伝えると、近くに四万十川最古の沈下橋があることを教えてもらいました。「どうせなら近くなので一緒に行ってみましょう」約束をして最終日に備えて眠ることにしました。
四万十川沈下橋
朝起きると、昨夜には見えていなかった景色もはっきりと確認できました。
(四万十川近すぎやろ、、、)
川が氾濫したらひとたまりもないなと思いながらバイカーのお兄さんと粛々と撤収作業を行います。私の方が自転車で走るのが遅いということと、荷物自体が少ないため、先に出発して沈下橋で待つことにしました。
「先に行ってますね」
四万十川を右手に見ながら4km程の道のりをゆっくりと進みます。
追い抜かれないように急いで沈下橋へ向かうと、ちょうど同タイミングで到着しました。バイク速い、、、
特徴的な瓦の絵を見ながら二人で写真を撮りました。最古の沈下橋はちょうど100年程度前にできていたことがわかり、私の曽祖父がひょっとしたら隣村のここまで足を伸ばしていたかもなと写真に収めます。
最古の沈下橋を二人で渡り、最後に少し話して別れます。短い時間でしたが、濃密な時間を過ごせました。お互いの旅の安全を祈りつつも、沈下橋を後にします。
沈下橋を後にして、帰りの鉄道の時間を確認しながら街へと戻ります。
前日の暗闇で見た景色を明るくなってからみるとまるで印象も違います。暖かな農村の風景が四万十川を包むように広がっていました。
街へと戻る途中に古くから神社があることを前日の図書館で教えてもらっていたので見に行きました。
鳥居に刻まれた記録を確認するとちょうど100年前に鳥居が建てられたことがわかります。
鳥居を囲むように咲く桜やこの階段から見下ろす農村の景色も私の曽祖父はみていたかもしれません。
しっかりと景色写真に抑えて、ゆっくりと窪川の町へと戻りました。
窪川の町で電車を待つ間に、旧都築邸という邸宅が歴史があると聞いたことを思い出しました。前日に訪ねたときは夕方ですでにしまっていたのですが、改装をしてカフェをやっているということを聞いたので最後に訪ねてみました。
旧都築邸では庭を眺めながら抹茶をいただきました。朗らかな雰囲気に心躍るものがあります。また、建築の細部から歴史を感じることができ非常に興味深いです。電車の時間さえ気にしなければもう少しゆっくりしたかった。。。
旧都築邸を堪能すると良い時間になったので鉄道でとりあえず松山まで戻ります。
車窓から見る四万十川の景色と桜を見ながら、短いながらも今回撮った写真と窪川の町で感じたことを忘れないように、メモを取ります。着実に春へと近づいていると感じながら帰路につきました。
後日談
旅から戻りしばらく経ってから祖父のところに現像した写真と資料を持って帰りました。
写真を見ながら私の調べたことや窪川の町について、曽祖父についてわかったことを伝えると嬉しそうに聞いてくれていたことは今でも脳裏に焼きついています。
本当は祖父を高知へと連れて行きたかったのですが、叶わず祖父は6月に旅立ってしまいました。
私としては最後の最後に祖父が見たがっていた景色や風景をしっかりと持って帰ることができたことで(勝手に)満足しています。
今回初めて誰かのために旅・自転車に乗りましたが、自分の好きで得意な二つを使って誰かの役に立てたことは、私にとって新しい世界を目の当たりにしたような素晴らしい経験となったと感じています。
ご協力いただきました四万十町役場・図書館の皆さん。本当にありがとうございました。しっかりと調べた内容や窪川を通して感じたことを祖父に伝えることができました。
今回は少し変わった記事となりましたが最後までお読みいただきありがとうございました。
この記事をきっかけにご自身のルーツを調べてみると面白いかもしれないですね!
ぜひこの記事を読んだみなさんも自身のルーツを辿る旅に挑戦してみてください。
これにて四万十川ツーリング編は終了です。ありがとうございました。
温玉ネギトロ
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