温玉ネギトロです。今年の5月頃より月に一回程度のペースでブルベに参加するようになりました。5月に300km、6月に400kmを完走し先日始めて600kmに挑んだのですが結果として500km地点でDNF(リタイア)しました。今回はリタイアしたブルベを振り返る第3話。睡魔に勝てず、新温泉町の公園で仮眠を取り、再起を図るが、、、
第一話と第二話はこちら
温玉ネギトロについて
- 自転車歴15年以上。
- 大学ではサイクリングサークルに所属。
- ソロで自転車海外10カ国以上来訪。
- 最近はロングライドを中心に行う。
- 2023年ランドナーでブルベSR獲得。
- ヴィンテージ自転車のレストアなどが趣味。
オダックス近畿BRM909日本海・瀬戸内海
環境
気温:20度~35度程度
天気:初日は曇。二日目は晴天です。
9月の初旬とはいえ二日目の日中はとても暑かったです。また、初日の神戸から高浜方面に向かう際と鳥取市から瀬戸内海方面に向かう際は強い向かい風で非常に辛かったです。
新温泉町にてリスタート
360km地点にて1時間だけ仮眠をしました。自分の消耗した足で、ギリギリゴールできる時間を計算した結果が1時間だけ寝れると、眠気で限界の頭がはじき出しました。
真っ暗な時間に出発したものの、数十分もするとすぐに太陽が登りました。
ひんやりとした空気に包まれながらも背後からの朝焼けが暖かさも感じさせてくれます。
以前、暑さに散った400kmブルベでも同じ景色を見たのですが、その際は夕焼けでしたが朝焼けもとても美しく、誰かにこの美しさを伝えたいなと思いました。(おそらく最後尾のボッチ旅で叶いませんでしたが笑)
まだ、ひんやりとした時間に、鳥取県と兵庫県の県境七坂八坂峠に差し掛かります。
ここはBRM721 400kmのブルベで走った際には通行止めでしたが、今回は開通していました。(良かった!)
少しだけきつい坂を登ると名前の通り何回かわからないくらいのアップダウンが続きます。
個人的には1時間の休憩が効いており、そこまで苦労せずに登り切ることができました。
そこからは軽微なアップダウンを挟みながらも次の鳥取砂丘・砂の美術館の看板を目指します。
ゆるゆると進みながらもこのあたりからも再び暑さが少し出てきました。
フォトコントロール③ 砂の美術館 看板 鳥取砂丘
フォトコントロール③砂の美術館看板に到着したのは8時前でした。軽快に走っていたような気がしましたが、仮眠開けから約40kmに対して2時間45分も使っていますね。一度コンビニで食事を取りましたが、それにしても少し時間がかかりすぎている気がします。(気づけ!自分!!)
この時点での状況を整理すると残り約200km、残り時間は12時間30分です。
普段の私であれば全然ゴールできる時間です。
ここからは鳥取市内を抜けて県境の志度坂峠を目指していきます。今回450kmにして最後の大きな上りになります。
鳥取市内~志度坂峠へ
鳥取砂丘から岡山県との県境の志戸坂峠へは約50キロここを登りきれば下りも長く続くので、気合を入れて登りきろう。そう考えていました。
実際鳥取市内を抜けてから長い平坦区間が続きます。ラッキーなことにここで追い風を拾うことができ、一気に距離を稼ぐことができました。(かなり時間的にも距離的にも余裕ができてきたぞ)
そんな事を考えながら進むも、少しずつ緩やかな坂が始まり始めます。しかも日中にささしかかったということもあり、日差しが強くじわじわと体力が削られていきます。精神的にも少しきつくなってきました。(登り切ってしまえば、登り切ってしまえば、かなり長い下りの区間があるから大丈夫。。。)と言い聞かせて少しづつ登っていきます。
一方で志度坂峠の頂上に近づくに連れて傾斜も結構きつくなりました。暑さに加えてこの傾斜きつい。。。おそらく峠頂上にたどり着くまでの残り5km区間が普通に峠道で辛かったです。
志度坂峠はバイパス共用区間なので歩道を通って頂上のトンネルを通過しました。
(やった!!ここからは下り区間!!)と安心して力が抜けたのを覚えています。
登頂したのは11時30分。残り9時間で150km。登りだったということを加味すれば悪くないペースだと思います。次は507km地点の通過チェック④赤穂市坂越公民館を目指します。
ここからの下り区間で一気に15kmの借金を取り返そう!そう思った自分の考えが甘かったです。
志度坂峠の先へ
志戸坂トンネルを越えたタイミングでなんとなく気づいていました。
(風、なんか向かい風強くない、、、??)
一旦頭を整理するため、コンビニに入ってお昼休憩をします。
しかし、再び仕切り直すも風は無慈悲にも正面から私にぶつかり稽古をかましてきます。
(ぜん、全然進まない、結構な傾斜の下り坂やぞ、、、???)
一番傾斜のきつい下り坂でも時速30kmも出ていなかったと記憶しています。
(マジか、、)頭で計算を繰り返し、このペースならどれくらいで巻き返すことができるかを必死に考えます。
一方で、風によってなかなか進まず、焦る気持ちとは反対に気持ちが切れてしまったのか睡魔が何度も襲います。(眠すぎる、、、、)
挽回しようにも何度も5分程度の仮眠を公園やコンビニで繰り返しました。
ギリギリの状態でなんとか岡山県と兵庫県の県境に到達したのは12時40分 約460km地点です。
この時点でかなり時間がかかっています。下り坂で1時間で10km程度しか進んでいません。
睡魔と昼食と風に追いやられた結果です。借金がかさみ20km程度の借金です。
通過チェック④赤穂市坂越公民館を目指して
通過チェック④赤穂市坂越公民館までは約50km。
(とりあえず、そこまでは頑張って粘ってみて、そこで一旦考えてみよう。)
しかし、千種川を横目に緩やかに降るも、一向に風は収まることなく、むしろ傾斜が減った分スピードは落ちます。また、睡魔も限界を迎えたのか繰り返し何度も5分程度の仮眠をしながら進みます。
今思えばいっそ30分くらい寝てしまったほうが良かったのかもしれないですね。圧倒的経験不足です。この記事を読んでいる皆さんはこの状況ではどうしますか?
そうこう考えつつも審判の時間は近づいてきます。
そしてDNFへ
DNFに至ったのは上郡町に入ったタイミングでした。14時30分残り約110km。残り時間は6時間。
ゴールの600kmまでには大きな登りもなく、赤穂市からは東方面に向いて走るため、現在の南風を受けることなく、充分に間に合う可能性があると思いました。
しかし、私は失念していました。PC3 550km地点の姫路でのコンビニで制限時間があったのです。
甘かった。。と言うしかありませんが、残り60キロをPC3 制限時間の17時34分までにたどり着く体力はありませんでした。というより睡魔をコントロールできないと判断しました。
PC3 には間に合いませんがゴールに向かう足は残っているのに、DNFの電話をかけます。
ねぎとろ「お疲れ様です。DNFします。」
「お疲れ様でした。どうしたんですか?」
ねぎとろ「睡魔に勝てず、向かい風に勝てず、PC3 に間に合いません、、ゴールには間に合いそうなのですが、、悔しいです。」
「残念ですが、また参加してください。来月姫路600kmもあるのでまた参加してください!お疲れ様でした。」
(来月姫路600kmか、、)結果的にはこの姫路600に挑むことになります。後日記事作成予定です。
とりあえず、上郡駅で輪行して撤退することにします。まだ走れる走力があるだけに本当に悔しかったですが、眠気の危険も感じていたのでここで私の初の600kmブルベを終了とします。
(楽しかったな全力を尽くして、だめだった。また日本海の朝焼けが見たいな。)
その後
上郡から電車に乗り、神戸においていた荷物を回収しに一旦神戸に立ち寄りました。
荷物を回収していると自転車を輪行している人が目に入りました。(ブルベの走者かな。ん?)
よく見ると先輩のSさんでした。「Sさん!!」
なんと私が輪行してたどり着いたタイミングでゴールしたSさんとぱったりと合流することができました。36時間ぶりくらいに合流し、お互いの状況について話しました。
私もかなり体力的に削られていましたが、Sさんも疲れからか姫路周辺で落車してしまい、あばらを痛めながら満身創痍で完走したとのことでした。(にして速すぎると思いますが笑)
そして一緒に出場していた前野さんはなんと度重なるアクシデントで350km地点でDNFされていたとのことでした。(なんと!!ずっと背中を追いかけてすでにゴールしていたのでは!!)詳しくは下記の前のさんが執筆されている記事を参照ですが、前野さんも同じく壮絶な戦いを繰り広げていました。
(やっぱりきついのは自分だけじゃなかったんやな。。。。)今回の反省点を下記にまとめて今回の600kmブルベの体験談の締めくくりとします。みなさん、お疲れ様でした。
反省点
睡眠
前日の睡眠をしっかりと確保できなかったことが響きました。前日にもホテル泊をしていたのですが寝付くことができず、しっかりと眠ったのは実際のところ3時間程度でした。これは大きな反省で次の姫路600kmではここを重点的にフォローすることで走りやすさが改善されました。
食事
暑熱順化は多少を行っていたとはいえ、35度を超えると胃腸に支障をきたし、やはり食事が喉を通りにくくなります。時間が経ち夜間の21時に食事を取った際にもどん兵衛の大を食べきることができなかったので、ボディーブローのように効いてきます。ここは暑熱順化と胃腸薬を携行するなどの対策が必要と感じました。
装備面
ホイールが重いということは前々から思っていましたが、前野さんから指摘されたことで確信に変わりました。そもそもハブダイナモの最初に組まれた鉄下駄で走行をしていたので、軽さなど微塵も考えていないホイールで今まで走ってきました。(そうは言いつつも300km,400kmは完走できていたのですが、、)やはり登りが多いと顕著に差が出てきます。また、その他にも装備面でまだまだ不要なものが多いと感じたので、しっかりと見直しをしていきます。
タイムスケジュールの管理
これは事前にある程度計算しておくべきだと実感しました。寝不足で疲れた頭では計算がおぼつかないのと、ある程度50km間隔くらいでタイムスケジュールを出しておくことでどれくらい貯金があるか、わかるため、精神的にも安定につながると思いました。失敗です。
良かった点
良かった点は自分の走力に自信を持てた点です。かなりのアップダウンを含む約500kmを走ってみて、脚にはまだ余力があったこと。また、タイムスケジュールさえしっかりと管理していればゴールをできたかもしれないことは非常に私にとっては自信になりました。
スピーカーを持っていたのも良かったと思います。荷物にはなるのですが、夜間の山中では動物よけになるだけでなく、眠気覚ましにもなります。これはあってよかったなと思いました。最終的には音楽をかけていても眠気にかてなかったので、限界だったのだと思います。結果的には2日の睡眠時間合計が4時間でした。。。
以上が今回のブルベの経験談と反省点になります。みなさんも私の失敗を踏み台にして600kmに挑んでください。
今回参加したブルベはこちら↓
温玉ねぎとろ
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